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| パチ、パチ、パチっとけたたましいタイプライターの音がビートを叩き、不穏なメロディ、すぐに打ち解けるドラムがそれに乗っかり、楽しいダンス・パーティーに導いてくれる。「ふぅ〜あぁ〜、ふぅ〜あぁ〜、にぃ〜きぃ〜ちぃ〜」と、キュートなウェイマス姉妹のたどたどしい合いの手がとっても愛おしいトム・トム・クラブの「おしゃべり魔女」がヒットしたのは81年。その正体は、前年のトーキング・ヘッズのアルバム「Remain in Light」が大好評で、メンバーのクリス・フランツとティナ・ウェイマス夫妻が始めたお手軽なユニット。
「Wordy Rappinghood」の他にも、スモーキー・ロビンソンやジェームス・ブラウンの名前が歌い込まれ、小気味いいギター・カッティングに大らかなメロディが心地いいリゾート気分のナンバー「Genius of Love」も大ヒット。エイドリアン・ブリューの像さんギターがのしのしと愛嬌たっぷりに練り歩く「L'Elephant」、未開の魔力に身をゆだねるようなエキゾチカ「As Above, So Below」、妖艶な囁きにうっとり夢見心地の「Lorelei」、ダブの手法も取り入れたヘッズ風の元気溌剌なナンバー「On, On, On, On...」など、ニューヨークのポップ・アーティスト、ジェームス・リジィの賑やかで可愛らしく、底抜けに明るいジャケットと共に大いに注目を浴びましたね。
先頃発売されたトム・トム・クラブの「Tom Tom Club [Deluxe Edition]」は2枚組。ディスク1には、ファースト・アルバムに加え、ドリフターズや数々のアーティストに取り上げられているカリプソ風R&Bナンバー「渚のボードウォーク」のカバー・ヴァージョン。ディスク2には、今回初CD化となるセカンド・アルバムの「Close To The Bone」を収録。ロング・ヴァージョンやリミックスをプラスした嬉しい内容となっています。
そういえばラップという音楽用語を知ったのは、このトム・トム・クラブの「おしゃべり魔女」やブロンディの「ラプチャー」が最初。当時ニューヨークで流行りのラップを取り入れたナンバーとして話題となり、大ヒットしましたね。でも、このラップという手法、ボブ・ディランやルー・リードに馴染んでいた私にはそう目新しいものには感じられなかったのも事実です。ルー御大なんか、86年のアルバム「Mistrial」の中で「オリジナルは俺さ!」と言わんばかりに「The Original Wrapper」を披露し、ご愛嬌。
さぁ、特別に暑い夏を乗り切るのにロックなラップはいかがかな?
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